Josh Bell
「191センチ、118キロの巨体でスイッチヒットする男、ジョシュ・ベル——ミネソタ・ツインズの指名打者」
スイッチヒッターの多くは俊敏な小柄タイプだが、ベルは191cm・118kgという、本来なら片方の打席に固定される「パワーヒッター体型」を持ちながら両打席に立つ、身体的に見て珍しい選手である。
2026年は2016年デビューから数えて10シーズン目にあたる節目の年。守備位置を退き指名打者専任となった今、彼の存在はチームが「守備価値が薄れた後もバットの技術だけで起用を続ける」という選手評価の一例を体現している。
スタッツだけを追うファンは見落としがちだが、スイッチヒッティングは生まれつきの才能ではなく、幼少期から左右両方の打撃フォームを何年もかけて別々に鍛え続ける、極めて手間のかかる技術である。
日本のプロ野球でスイッチヒッターというと、俊足・巧打タイプの小柄な選手を思い浮かべるファンが多いだろう。ベルのように191cm・118kgという、本来ならパワー系の右打ちか左打ちに専念しそうな体格の選手が両打席に立つのは、日本の野球観からするとやや意外な組み合わせに映るはずだ。
アメリカのファンは選手のスイッチヒッティングを「もともとの打撃スタイル」として当たり前に受け止めがちだが、これは幼少期から左右それぞれの打撃フォームを別々に、何年もかけて反復練習して初めて成立する技術である。体格だけを見れば片打席に専念する方が自然な体つきの選手が、あえて両打席を維持している事実は、見過ごされやすい。
1992年8月14日、テキサス州アーヴィング生まれ。身長6フィート3インチ(約191cm)、体重261ポンド(約118kg)という大柄な体格でありながら、左右両打席に立つスイッチヒッターとして知られる。2016年7月8日にメジャーデビューし、現在はミネソタ・ツインズで背番号56、指名打者(DH)を務める。右投げ左右打ちという組み合わせは、メジャーでも珍しい部類に入る。
| 年度 | チーム | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | MIN | 94 | .248 | 13 | 60 | 1 | .736 |
| 2025 | WSN | 140 | .237 | 22 | 63 | 0 | .742 |
| 2024 | — | 145 | .249 | 19 | 71 | 0 | .724 |
| 通算 | — | 1381 | .255 | 206 | 736 | 5 | .781 |
出典:MLB Stats API(レギュラーシーズン)
体格が語るもの
身長6フィート3インチ(約191cm)、体重261ポンド(約118kg)。この数字だけを見れば、いわゆる「パワーヒッター」の典型的な体格である。メジャーリーグでは、こうした体格の選手は片方の打席に専念することが多く、スイッチヒッターは一般的に俊敏さを活かした小柄な選手が担うことが多い。ベルはその常識から外れた組み合わせを持つ選手として位置づけられる。右投げでありながら左右両方の打席に立つという構成そのものが、彼のキャリアを理解する上での出発点になる。
スイッチヒッターという技術
スイッチヒッティングは、単なる打席の使い分けではない。左右それぞれの打席で異なる重心移動、異なるタイミング、異なるスイング軌道を維持し続ける必要があり、これは長年の反復練習によって初めて形になる技術である。ベルがいつ、どのようにこの技術を身につけたかについては公開された一次情報が確認できないため本稿では言及を避けるが、現在のメジャーの舞台でこの技術を維持していること自体が、彼の選手としての専門性を物語っている。
アメリカン・リーグでは指名打者制度が長年定着しており、守備につかず打撃に専念する選手が一般的に存在する。日本のパ・リーグのDH制度と似た仕組みだが、メジャーでは2022年からナショナル・リーグにも全面導入され、リーグ全体で守備を免除された専門打者というキャリアパスがより一般化している。
10年目のキャリアとDHという役割
2016年7月8日のメジャーデビューから、2026年で10シーズン目を迎える。現在はミネソタ・ツインズで背番号56をつけ、指名打者(DH)としてラインアップに名を連ねる。守備位置を離れ打撃専任となることは、メジャーリーグにおいてしばしば「守備の負担よりも打撃技術を優先する」という球団の判断を意味する。ベルの現在のポジションは、彼がキャリアの後半に差し掛かりながらも、バットでの価値を評価され続けていることを示している。
これから
10年という節目を迎えたシーズンにおいて、ベルがDHとしてどれだけのプレートアピアランスを積み重ねられるかは、彼自身のキャリアの持続性だけでなく、ツインズがベテランの打撃力をどう評価するかという、球団側の姿勢を映す鏡にもなるだろう。
日本球界におけるスイッチヒッターのイメージは、俊足・巧打の小柄な選手であることが多い。一方でメジャーリーグでは、ベルのようにパワー系の体格を持つ選手が両打席に立つケースも存在し、スイッチヒッティングが必ずしも体格に依存しない技術であることを示している。
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